似た言葉の使い分け-材料と原料,配付と配布,習字と書道-説明できる?
腐敗と発酵や不要と不用など、意味が似ているけど使い分け方が存在する言葉は結構あります。みなさんは使い分け方を説明できますか?
今回の記事ではこれらの似た意味を持つ言葉について使い分けを解説していきます。
材料と原料
材料と原料の違いは、完成品になったときに原形をとどめているかどうかにあります。
- 材料……原形をとどめている。
- 原料……原形をとどめていない。
食品を例に考えてみましょう。人参はカレーの具材になっても、目で見て人参であると判断できます。よって人参はカレーの材料です。しかし野菜ジュースに加工されると、目で見ただけでは何の野菜が入っているかわかりません。なのでこの場合人参は野菜ジュースの原料と言えます。
配付と配布
配付と配布の違いは、配る対象が特定の人かどうかにあります。
- 配付……特定の人々に配ること。
- 配布……広く一般に配ること。
会議の資料などを出席者のみに配る場合は「配付」、街頭でのティッシュ配りなど不特定多数の人に配る場合は「配布」を使います。
公用文や公文書においては、一部例外を除いて「配布」で統一するルールとなってます。そのため新聞やニュースなどでも「配布」が使われることが多いです。
腐敗と発酵
腐敗と発酵の仕組みに違いはありません。どちらも微生物による分解現象ですが、人間にとって有用かどうかで区別しています。
- 発酵……人間にとって有用。
- 腐敗……人間にとって無用、有害。
旨味や栄養価がアップする等、人間にとって好ましい変化が起きれば発酵と呼びます。
制作と製作
制作と製作の違いは作るものが芸術的か実用的かにあります。
- 制作……芸術的なモノを作ること。
- 製作……実用的なモノを作ること。
洋服や家具などを工場で大量に作る工程では製作という言葉が使われますが、デザイナーがデザインする工程や、1人のハンドメイド作家が作る過程では「制作」という言葉が使われたりします。
習字と書道
習字と書道の違いは文字を書く目的にあります。
- 習字……書き順や美しい字を習うこと。
- 書道……文字を通した自己実現のこと。
学校で書き順や「とめ・はね・はらい」を習う時間を「書写」と呼んだりしますが、この「書写」も「習字」に当たります。
一方の書道は自分の個性や思想を表す芸術の分野です。習字のような「お手本」はありません。
まとめ
意味が似ていて使い分けが難しい言葉について紹介してきました。正しい使い分けをどれくらい知っていましたか?
この記事が参考になったらぜひSNSにシェアしてね!
Share on