頻出!小説書き出しクイズ-タイトル・作者・書き出しをまとめた表あり

クイズ頻出の小説書き出しをまとめました。

まずは特によく出題されるものをクイズ形式で5問紹介。後半はその他の頻出書き出しを表でまとめています。暗記にご利用ください。

小説書き出しクイズ

まずはクイズを5問出題します。

出題している作品は青空文庫にて読むことができますので、興味があれば読んでみてください。
書き出しは青空文庫の表記に倣っています。

第1問

「おい地獄さ行(え)ぐんだで!」という書き出しで始まる、小林 多喜二の小説のタイトルは何?

正解は『蟹工船』です。

蟹工船は昭和4(1929)年に発表された小説で、プロレタリア文学(賃金労働者たちの苦悩や要求などを描いた文学のこと)の代表作と言われ、複数の言語への翻訳もされています。

「おい木村さん信さん寄つてお出よ」という書き出しの場合は樋口一葉の『にごりえ』なので、早押しでは注意が必要です。

第2問

「親譲りの無鉄砲で小供(こども)の時から損ばかりしている。」という書き出しで始まる、夏目漱石の小説のタイトルは何?

正解は『坊っちゃん』です。

坊ちゃんは登場人物の名前もクイズで問われやすいです。例えば教頭の「赤シャツ」、数学教師の「山嵐」、英語教師の「うらなり」、画学教師の「野だいこ」など特徴的な名前の人物が登場します。

第3問

「えたいの知れない不吉な塊が私の心を始終圧(おさ)えつけていた」という書き出しで始まる、梶井基次郎の小説のタイトルは何?

正解は『檸檬』です。

檸檬は京都に下宿していたときの作者がモデルの作品です。作者独特の、詩的な比喩表現が高く評価されています。

第4問

「私は、その男の写真を三葉、見たことがある。」という書き出しで始まる、太宰治の小説のタイトルは何?

正解は『人間失格』です。

三葉(さんよう)とは、三枚という意味です。葉という漢字は木の葉や紙などを数える語として辞書にも掲載されています。

人間失格は、完結作品としては太宰治の最後の作品です。未完の物も含めれば、『グッド・バイ』が最後の作品となります。

ちなみに「私(わたくし)はその人を常に先生と呼んでいた。」で始まるのは夏目漱石の『こころ』です。似ているので注意したいところです。

第5問

「ある日の事でございます。御釈迦様は極楽の蓮池のふちを……」という書き出しで始まる、芥川龍之介の小説のタイトルは何?

正解は『蜘蛛の糸』です。

同じ芥川龍之介の『羅生門』は「ある日の暮方の事である。一人の下人が……」で始まるので少し似ていますね。

書き出しが有名なその他の小説

川端康成の作品以外は青空文庫で読むことができます(2024.11.10現在)。

タイトル作者書き出し
風の又三郎宮沢賢治どっどど どどうど どどうど どどう
夜明け前島崎藤村木曾路はすべて山の中である。
舞姫森鴎外石炭をば早や積み果てつ。
雪国川端康成国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。
夢十夜夏目漱石こんな夢を見た。
こころ夏目漱石私はその人を常に先生と呼んでいた。
それから夏目漱石誰か慌たゞしく門前を馳けて行く足音がした時、
田舎教師田山花袋四里の道は長かった。
斜陽太宰治朝、食堂でスウプを一さじ、すっと吸ってお母さまが、
たけくらべ樋口一葉廻れば大門の見返り柳いと長けれど、
小さき者へ有島武郎お前たちが大きくなって、一人前の人間に育ち上った時、

まとめ

小説書き出しクイズのうち、特に頻繁に出題されるものをまとめました。最後まで読んでいただきありがとうございます。

もし時間があれば実際に読んでみると、理解が深まると思います。

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