語呂合わせの意味を考えてみる-リーベって何?ひとみごろとは?

学生時代にお世話になった語呂合わせ。音としては今も記憶に残っているけど、よく考えたら意味がわからないものってありませんか?

例えば元素の周期表を覚える「水平リーベ」のリーベや「七曲がり」とか、√2の近似値を覚えるための「ひとよひとよにひとみごろ」の意味って考えたことありますか?

この記事ではそういう語呂合わせの「意味」について掘り下げていきたいと思います。

この記事は筆者の推測を含めて執筆しています。

水平リーベ僕の船

元素周期表
イラストAC

元素周期表を覚えるための有名な語呂合わせに、「水平 リーベ 僕の船 七曲がり シップス クラークか」というものがあります。
教えてくれた先生によって、「七曲がり」の部分が「七曲がる」や「名前がある」などのバージョン違いがあります。

リーベとは

まず「リーベ」とは、「愛している」という意味のドイツ語「liebe」から来ていると思われます。英語でいう「love」に当たるものです。
つまり「水兵 リーベ 僕の船」は、「水兵は自分の船が大好き」くらいの意味ではないでしょうか。

ここで雑学を1つ

マクドナルドの「i’m lovin’ it」という看板は日本では英語のままですが、海外では各国の言葉で書かれていたりします。
例えばドイツでは「ich liebe es」と書かれていますし、アルゼンチンを始めとした複数の国ではスペイン語の「me encanta」、フィリピンではタガログ語の「love ko ‘to」が使われています。

言語表記
英語i’m lovin’ it日本など
ドイツ語ich liebe esドイツなど
スペイン語me encantaアルゼンチンなど
タガログ語love ko ‘toフィリピン

七曲がりとは

「七曲がり」の意味は、次のように辞書に記載があります。

道路や坂などが幾重にも折れ曲がっていること

つまりくねくね曲がった水路を船で進むような様子を表しているのではないかと推測できます。

クラークとは

クラークは恐らく人名です。
誰のことを指しているのかは定かではありませんが、「僕の船でくねくね曲がった海(川)を進んだ先に別の船(シップス)が見えた。あれはもしかしてクラークの船か?」くらいの意味ではないかと思います。

ひとよひとよにひとみごろ

「ひとよひとよにひとみごろ」は、√2の近似値を覚えるための語呂合わせですね。√3の「人並みにおごれや」、√5の「富士山麓(さんろく)にオウム鳴く」と一緒に覚えさせられましたね。

√3と√5の2つは意味がわかりやすいのですが、√2の「ひとみごろ」って何だろう?と思いませんか?

漢字表記を調査すると、「一夜一夜に人見頃」が多数派でした。これでもいまいち意味がわかりにくいです。

一夜一夜に

一夜一夜にというのは、一晩一晩、日が経つごとにという意味でしょう。

人見頃

「見頃」というのは「見るのに適した時期」という意味です。

「一夜一夜に見頃」だったら、日が経つごとにだんだん見頃に近づいているという意味になって美しい情景が浮かんできますが、「人」が入っているせいで意味がわからなくなっているんですよね。

「1」という数字を覚えるために入っている言葉なので意味は無いのだと思いますが、無理に意味を考えるとすれば「人にとっての見頃」だとか、「一晩経つごとに人(見物客)が増え、見頃が近づいている」みたいな意味にとれると思います。

最後に

本来語呂合わせというのは、覚えたいものを覚えることができればそれで良くて、語呂合わせの意味自体を考えることはあまり意味がありません。
それでも、美しい意味をもった語呂合わせは記憶に残りやすいですし、覚えることと関連した意味をもった語呂合わせはクオリティの高いものです。

例えば894年の遣唐使の廃止を覚える語呂合わせの「白紙に戻そう遣唐使」は、内容に合っていて質の高い語呂合わせですよね。

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